『礼拝』という言葉があります。「れいはい」、「らいはい」とも云いますが、日本神道の神社へ詣でる作法に『二礼二拍一拝』があります。TVで芸人が日本中の城を廻る番組の派生で寺社仏閣を巡る中で「二礼二拍一礼」と言ってましたが、
『礼』と『拝』は、両方とも腰を折って頭を下げる行為ですが目的と意味がまったく違うので、どうかとは思うのですが、実際に『二礼二拍一礼』と掲げている神社を見たことがあるのでナントモ。
さて、まず『礼』ですが、腰を直角90度に曲げて頭を下げます。神(に拘わらず)後頭部を晒すぐらいに頭を垂れるのです。「最敬礼」というのはコレです。コレ以上の角度は逆に“失礼”になります。
ついでに『拍』ですが、両掌を打ち合わせて音を鳴らす行為というのは、神を呼び出すのではなく、場を清める為。左手を指関節一節を上にずらして打ち合わせます。「陽が足りる」で左です。「神の左手悪魔の右手」という言葉もありますね。
次に『拝』。こちらは45度の角度。神に対して頭頂部を向ける行為で、恩恵を拝領する為のものです。賞状やら受勲など、受け取る姿を考えれば判りやすいのでは?
件の番組で件の芸人がしている“礼”はどう見ても角度が足りてません。姿勢だけ見ると“二拝二拍一拝”です。
作法を象だけなぞってもその意味を理解してなければちぐはぐでしかありません。