赤心少林拳じゃなく、極真空手の人の正拳突きを腹に喰らいまして。
ズンという衝撃を体幹に受けると
目の前が下から暗くなり、黒い砂嵐が吹き荒れ、
体の末端から体組織が水に浸けた砂団子のようにホロホロと解れ崩れ散るかのように覚束ず、
耳は水に潜ったかのようにぼんやりとくぐもった音しか拾わず、同様に深く潜った時のように頭はガンガンと呼吸も苦しい。
ますます暗くなる砂嵐に白い星が火花のような瞬きが加わり、うっすらと影のように認識出来た相手の動きを察知。
反応しようとした所、周りの大気が水と化したかのように動作が鈍く、焦る。
次の瞬間に左肩に衝撃を喰らいましてダウン。端から証言によると、ドテっ腹にいいのを貰った途端に目が虚ろに動作は緩慢になって、飛び蹴りを喰らったと。一応反応して右に体をずらしたが、避け切れずにちょっとカスった程度だけど、独楽のようにキリキリ回ってポテンと倒れたとのこと。
さて、“暗い砂嵐”というのは、他の体験からいうと貧血に近いですね。強烈な立ち眩みと云えばいいか、正に血の気が引く状態。
人によると思いますが、
急性アルコール中毒寸前まで行ったり、食中毒、ガストロ(ノロ)並の凶悪な下痢に見舞われたことがある人は、なんとなく判るのではないでしょうか?
いいのを頭(部)に貰うと天国に、
腹に喰らうと地獄に逝けるのです。
締め技は、どっちかって謂うと気持ちいい部類ですが、多分、文責担当の場合は一瞬で落ちたからだと思います。関節技でも巧い人だと直ぐに脳天に痛みが駆け昇るので脊髄反射でギブアップ出来ますが、下手だと我慢しちゃえるので、結果長引くことに。