アニメ、特撮と続いた“人間爆弾”シリーズ(笑)。最後は漫画作品。
いや、まぁ、アニメ化されましたが、アレンジされ過ぎて別物と化してます。まぁ、アニメ作品はまともに観たことがないので判らないのですけど。
横山光輝の『マーズ』。
東京湾近郊に活発化した海底火山活動で新たに隆起した新島に謎の少年“マーズ”が現れた。無垢な赤子のようであったが、凄まじい勢いで学習し、世界を社会を人間を学んでいく。
マーズの目覚めに呼応するかのように起動した“タイタン”が米軍の核攻撃で破壊されると今度は“ガイアー”が海底より出現。
マーズは過去に地球に訪れた高度知性体が地球人の旺盛な闘争本能に危惧を抱き、地球に残した“監視員”であった。タイタンは地球文明の成長具合を測る計測器で、タイタンが破壊されるとガイアーが目覚めるようになっていたのだ。ガイアーの胎内には地球を完全に消滅させ得る“爆弾”が内蔵されていた。
眠らされていたマーズとは別に、六つの“神体”とそれぞれの監視員が各地に配されており、マーズが目覚める前に地球の文明レベルが危険度に達した場合はそれぞれの判断で神体を起動させるが、神体一つの能力では大陸を吹き飛ばす程度でしかなく、地球を消し去るにはガイアーを起爆させるしかなかった。六神体の意見は統一されており、このまま地球人が宇宙に侵出すれば害悪にしかならず、滅ぼすしかないとマーズに迫る。
海底火山活動のせいで本来の学習がなされないまま目覚めたマーズは保護された人間寄りの、人間に好意を抱いていた為に地球を爆破することを拒む。
ガイアーの爆弾を起爆させるには、マーズが自爆指令を出すかガイアー自体が破壊されるか、マーズが死ぬかの何れかであると、六神体がガイアーに挑む。
サブシステムでしかない六神体ではガイアーに敵わず次々に撃破されていくが、マーズが眠っていた場所の解析が進み、新たにガイアーの起爆には六神体が外部より破壊されることも含まれることが判る。六神体もタイタンと同じように計測器の一面も持っていた。更に、マーズたち“監視員”の正体は地球人を恐れた宇宙人自体ではなく、無性生殖生命体“人造人間”であったと判明する。守るべき人間からもマーズは「壊れている」、「正常化すれば地球を破壊」すると危険視されるのであった―。
まぁ、マーズは“人間爆弾”というよりは爆弾のトリガー、デトネイターという感じではあるのですが。
“人間爆弾”シリーズ((笑))としては、主人公(側)に揺さぶりをかけるものではなく、主人公が揺さぶりをかける方という掟破りなのですけど、何故か、漫画作品では主人公(自体)に仕込まれてる事が多い(っつーか、知らぬか思い出せぬので)のです。
秋田書店のチャンピオンコミックスは結構な頻度で再版されるので入手がし易いので見たことがある人もいるかも、ですが、一巻の全裸のマーズが己れの裸身を大の字に晒し、その股間を飛んできた火の玉(火山弾)が隠すという構図は
スゲェです。
マーズを保護した(医師)一家が六神体の戦いが始まるとフェードアウトしたのと、
マーズの解析(隆起した島の設備)がたった一人、しかも専門家ではなく一介の新聞記者の手で(ほぼ)成されたこと以外はツッコミ所も(総理大臣と自衛隊幕僚長がこの手の作品ありがちなゲス野郎でなく、寧ろかっこいいくらい)なく、綿密に話を練られた丁寧な作品。前述のように比較的入手がし易いので、機会があれば是非とも抑えて欲しいです。